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2006.08.10.Thu

いつからか人の目を見ることができるようになった

昔の私はいつも下を向いているような子だったのに


そんなちょっとしたことからも時間の経過が伺われるなんて、まるでそれは鎖のように私にまきつく

まるでそれは時間のように





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私があの男と出会ったのは、何の変哲もない日常の中でのことだった。


いつもと同じ学校からの帰り道。いつもと違うのは、そらが異様に黄色かったことくらいだ。
確か、この間の台風上陸の前日もこんなそらの色をしていたな、と心を掠める程度にぼんやり考えていた。そう、ぼんやり。



私は物心ついた頃からぼんやりと考え事をするのが好きな子だった。
周りから言われたことはないが、自覚する程度にはぼんやりしていた。
もしかしたら、気づかれないように自分でしていたのかもしれない。ただそれは私の意識を外れたところで自分が行なっていたことだから確信はもてなかったが。
ぼんやり。つまりは何も深く考える事ができない思考。
それが生まれもってそうだったのか、周囲の影響でこうなったのか、それはどちらでもいいことだったが、少なくとも私の周りにはこんな奇天烈なヤツはいなかった。
それが、あとあと(生まれ持ったものだとしたら、あとあとではないが)の自己確立に何かしらの影響を与えたことは確かだ。



ふと、今まで黄色い空を見上げていた視線を地面へと向け、立ち止まった。


下を向いて歩くと、限りなく視野が狭くなる。
幼い頃から何か落ちていないか探しているようだ、と良く言われたものだが、この行為における真実は別のところにあった。
限りなく狭い視野は自分の世界と良く似ている。知っているものだけで構成された世界。
その中にいることはぬるま湯よりも心地良い。



いちいちトリップする思考にそろそろ嫌気が差してきた。
ほら、また頭に霧がかかったように、思考がぼやけてきた。
もう私の頭は容量オーバーらしい。なんて使えないんだ。



もはやぼんやりというには程遠いほど頭の中でけたたましく鳴り響いていた批難の声は後ろから聞こえてきた低い声にかき消された。



『その霧にはまた別の意味がある。』



振り向くとそこには、どこにでもいそうなごく普通の会社員が立っていた。

(20060810)

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